「天井裏でネズミらしい物音がしていたら、ブレーカーまで落ちた」「配線をかじられたのでは」と不安になっていませんか。電気が戻らないと生活に困りますが、原因が分からないまま何度もブレーカーを入れ直すのは避けたい対応です。
ネズミが電線をかじり、停電や火災につながる可能性はあります。ただし、ブレーカーが落ちたことだけで原因をネズミと断定することはできません。電気の使い過ぎ、家電の故障、配線の損傷なども考えられるため、電気設備の安全確認とネズミの調査を分けて進めることが大切です。
今、煙や炎が出ている、火災が疑われる場合は、ブレーカーの確認や撮影をせず、安全な場所へ離れて119番へ通報してください。焦げ臭い、火花や異音がある、配線が傷んでいる、復帰してもすぐ落ちる場合も、再通電を繰り返さず電気の専門家へ相談しましょう。
この記事では、日本の一般家庭を想定し、ネズミとブレーカーの関係、操作を止める目安、連絡先の選び方、修理後の再発防止を整理します。分電盤内部の点検や配線の修理を、自分で行うための手順ではありません。
- ネズミによる配線損傷と、ブレーカーが落ちる別の原因
- 家庭で見られる表示と、触れずに記録しておくこと
- 電気工事店・家電メーカー・管理会社への相談の分け方
- 電気の修理とネズミの侵入対策を両方進めるポイント
ネズミでブレーカーは落ちる?配線被害と原因の考え方
ネズミの気配と停電が重なると、両方を結び付けたくなるものです。しかし、電気が止まった仕組みと、ネズミがいるかどうかは別々に確認する必要があります。最初から原因を決めず、何が起きたかを整理しましょう。

電線をかじられると、停電や火災の原因になる
横浜市はネズミの物理的な被害として、電線をかじって停電や火災の原因を作ることを挙げています。NITEの電源配線に関する注意資料にも、家具の裏などに通したコードは、ネズミがかじるなどして断線している場合があると記載されています。配線の被害は、単なる見た目の傷として扱わないことが大切です。
電線の外側には、電気を周囲へ漏らさないための絶縁部分があります。これが傷み、電気が本来の経路以外へ流れる状態になれば漏電が、電線同士などが意図せずつながれば短絡、いわゆるショートが問題になります。どちらも電気の異常ですが、家庭で傷の写真を見るだけでは内部の状態まで判断できません。
ブレーカーは異常に応じて電気を遮断するための装置です。ただし、コードに傷があれば毎回必ず落ちる、ネズミが近くにいるだけで落ちる、という関係ではありません。傷の位置や状態、接触の有無などによって起きることは違います。落ちていないことを理由に、見つかった損傷を放置しないでください。
また、ネズミがブレーカーのレバーを直接動かしたと考える前に、配線や接続機器に異常がないかを専門家に確認してもらう必要があります。分電盤の中へ入り込んだ可能性を疑う場合も、自分でふたを外して探したり、内部へ道具を差し込んだりせず、その疑いを連絡時に伝えましょう。
落ちたブレーカーの種類は、原因を絞る手掛かり
東京電気管理技術者協会の説明では、どのブレーカーが落ちるかによって考えられる原因が異なります。一般的な分電盤には、契約容量に関係するアンペアブレーカー、漏電を検出する漏電ブレーカー、部屋や回路ごとの配線用ブレーカーなどがあります。機種や契約方式によって構成は違います。
アンペアブレーカーが切れる場合は、家全体で同時に使う電気が契約容量を超えていないかが確認点になります。回路ごとの配線用ブレーカーが切れる場合には、その回路での使い過ぎや短絡などが考えられます。「家の一部だけ消えた」という状況も、どこまで使えないかを伝える材料になります。
漏電ブレーカーが切れる場合は、屋内配線や電気製品の漏電が疑われます。ただし、名称が漏電ブレーカーだから、ネズミによる漏電だと分かるわけではありません。機器の故障や水分の影響などもあり、製品によっては過電流に対する保護機能を兼ねるものもあります。表示を読むことと故障を診断することを区別しましょう。
確認は通常の操作面で安全に読める範囲にとどめ、左右の位置やレバーの大きさだけで種類を決めつけないでください。どれか分からなければ、見える名称や型番を控え、分電盤全体の写真が安全に撮れる場合だけ残します。配線が見える内側の保護カバーやねじを外す必要はありません。
| 見えている状況 | 連絡時に伝えること |
|---|---|
| 家全体の電気が消えた | 近隣の停電状況、表示、直前に使っていた機器 |
| 一部の部屋だけ使えない | 部屋名、使えない照明やコンセントの範囲 |
| 漏電表示・すぐ再遮断する | 表示内容、発生時刻、傷や臭いなどの異常 |
| 煙・炎など火災が疑われる | 調査より避難・119番通報を優先する |
使い過ぎ・家電故障・地域の停電も分けて考える
ネズミの物音が続いていても、ブレーカーが落ちた理由が別にある可能性は残ります。例えば、暖房器具と調理家電などを同時に使っていたなら、電気の使い方が関係したかを確認する材料になります。一方、普段と同じ使い方でも、接続機器や配線の不具合が起きていないとはいえません。
特定の家電を動かした直後に切れた場合は、その機器名と時刻を記録します。もう一度動かせば原因を証明できる、と考えて再現実験をする必要はありません。NITEも、製品に異常があった場合は使用を中止し、再使用の前にメーカーや販売店などへ相談して点検を受けるよう案内しています。
近所や共用部も停電している、ブレーカーが切れていないのに電気が来ない場合は、地域の一般送配電事業者の停電情報も確認します。スマートメーターの機能など、家の分電盤だけでは分かりにくい場合もあります。電気を買っている小売会社と、送配電設備のトラブル窓口が同じとは限らない点にも注意してください。
雨の日だけ起きる、新しい家電を使い始めてから起きる、特定の部屋だけで繰り返すといった情報は、点検の手掛かりです。ただし、それぞれが原因の確定になるわけではありません。「ネズミだと思う」という推測と、「いつ、何を使い、どこが消えたか」という事実を分けて伝えると、相談先も状況を整理しやすくなります。
ネズミの痕跡は、電気設備に触れずに記録する
ネズミが関わる可能性を伝えるなら、電気の症状とは別に、見聞きしたことをまとめます。天井や壁のどの辺りで音がしたか、食品の袋に新しい穴があるか、フンらしきものをどこで見つけたかなどです。物音だけで動物の種類を断定したり、フンの量だけで生息数を決めたりしないようにしましょう。
コードにかじられたような跡が見える場合も、傷を持ち上げたり被覆を剥いたりせず、離れた位置から見える範囲を記録します。家具の下敷き、扉への挟み込み、ペットがかんだ跡など、別の原因も考えられます。原因がまだ不明でも、破損した電源コードをそのまま使わない判断は先にできます。
家電の裏や天井裏は、見えない配線に触れたり、重い物を動かしたりする危険がある場所です。痕跡を探すために冷蔵庫を一人で動かす、脚立から分電盤の中をのぞく、点検口へ体を入れるといった作業は避けてください。「その場所は未確認」と伝えれば、専門家に調査を相談する情報になります。
ルーターの周辺では、通信線と電源コードが混在している場合もあります。ネットが切れたことと家の電気が止まったことを同じ故障として扱わず、線の種類が不明なら触れないでください。関連する配線被害は、ネズミにLANケーブルをかじられたときの確認と再発防止で、通信線・電源・給電を分けて整理しています。
焦げ臭さ・火花・再遮断があれば操作を止める
東京電力パワーグリッドは、ブレーカーを上げてもすぐ落ちる、漏電ブレーカーが繰り返し落ちる、焦げた臭いや異音がする場合などに、機器や配線設備の異常の可能性を挙げています。このような状態では、復旧を急いで何度も操作するより、使用を中止して点検を依頼する段階です。
煙や炎がある、火災が疑われる場合は、ネズミの姿を探したり、写真のために近づいたりしないでください。家族など周囲に知らせ、安全な場所から119番へ通報します。逃げ道を失うほど近づかず、煙の多い場所へ戻らないことが大切です。火災が疑われる状況では、駆除業者の到着を待つ対応にはしません。
焦げ臭いが煙は見えない場合も、「目に見える火がないから大丈夫」と扱わないでください。異常な場所へ手を当てて熱を確かめたり、コンセントの奥をのぞき込んだりするのは避けます。通常の停止操作を安全にできる場合は使用を止め、近づくこと自体が不安な場合は離れて専門家へ状況を説明しましょう。
ブレーカーを切れば、その後のあらゆる作業が安全になるとも考えないでください。設備の構成や電源の状態を家庭で判断し切ることはできません。落ちたままだからと分電盤内部を掃除する、傷んだ線を切る、テープで巻くといった処置を加えず、触らない範囲を保って点検へつなげます。
ネズミ被害が疑われるブレーカー異常への対処と再発防止
対応は、危険を避けること、電気の点検を手配すること、ネズミの侵入原因を調べることの順に整理します。電気が一時的に戻っても修理が済んだとは限らず、ネズミを捕まえても配線が直るわけではありません。それぞれの完了条件を確認しましょう。

入れ直しを繰り返さず、使用中止と記録を先にする
一般的な停電の案内にはブレーカーの復帰手順がありますが、コードの損傷や焦げ臭さがある場面で、その手順を機械的に試すのは避けてください。資源エネルギー庁も、復帰の前にコードの損傷などを確認するよう案内しています。この記事のようにネズミによる損傷が疑われる状況では、先に安全確認を相談します。
異常のある家電は使うのをやめます。プラグやその周囲に損傷、発熱、火花、水濡れなどがなく、安全に通常の取り外しができる場合に限り、機器の説明書に従って電源を切り、プラグを外します。傷んだコードを引っ張る、固いプラグを無理に抜く、異常な箇所へ近づいて外すといった対応はしないでください。
記録するのは、発生時刻、電気が止まった範囲、直前に使っていた機器、見える表示、再発の有無です。すでに一度入れ直して落ちたなら、その結果を伝えれば足ります。どの家電で落ちるかを調べるために、あちこちのコンセントへつなぎ替えたり、傷のある線を曲げて反応を見たりする必要はありません。
家族には使わない機器や場所を具体的に共有し、知らずに再接続することを防ぎます。冷蔵庫や空調など生活に必要な設備が止まっている場合も、自己流の延長配線で回避せず、点検窓口へ困っていることを伝えましょう。電気の復旧までどう過ごすかも含め、家庭の事情に合う対応を相談することが大切です。
電気工事店・メーカー・管理会社で相談先を分ける
屋内配線や分電盤、備え付けコンセントの異常が疑われる場合は、電気工事店など設備の専門家へ相談します。特定の家電で異常が起きた場合は、メーカーや購入店に型番と症状を伝えます。ネズミ駆除の業者へ連絡するだけで、電気の安全確認や配線修理まで含まれるとは限りません。
地域全体の停電や引込側の問題が疑われる場合は、地域の一般送配電事業者の案内を確認してください。電話番号は契約書や公式サイトで確かめ、検索広告だけを見て窓口を取り違えないようにします。原因が分からない場合も、分かっている症状から説明し、どこへ相談すべきかを聞いて構いません。
賃貸住宅やマンションでは、緊急の安全確保を優先したうえで、管理会社や貸主にも速やかに連絡します。専有部か共用部か、備え付け設備か持ち込み家電かによって、調査の手配や承認の担当が変わることがあります。費用負担をその場で決めつけず、誰が何を手配するかを確認してください。
修理を依頼するときは、ネズミの痕跡があることを電気の担当者にも伝えます。被害箇所だけでなく周辺も確認が必要か、確認できない範囲があるかを聞きましょう。電線の接続や屋内配線の工事には資格が必要となる作業があるため、無資格での自己修理をせず、適切な専門家へ任せます。
伝え方を説明するための仮の例としては、「昨夜から台所だけ電気が使えません。分電盤の表示は写真のとおりです。一度戻しましたが再び切れたため、その後は操作していません。収納付近でネズミらしい痕跡も見つかりました。電気設備の点検と、使ってよい範囲を確認したいです」とまとめられます。これは実際の利用者の事例ではなく、事実と希望を分けて伝えるための例です。
管理会社と工事店の両方へ連絡した場合は、連絡日時、担当窓口、次の予定を一か所に残します。点検まで使用しない機器や回路について説明を受けたら、家族にも同じ内容を共有してください。別の担当者が来る場合も、すでに何を確認し、何が未確認かを引き継げるようにしておくと、復旧を急ぐあまり同じ操作を繰り返すことを防げます。
配線修理と並行して、侵入口と食品管理を見直す
電気設備を修理しても、ネズミが入る条件が残れば別の配線などへ被害が続く可能性があります。横浜市は、食品のふた付き容器への収納、台所の整理、生ごみや水を放置しないこと、侵入口への対策を案内しています。電気の点検を待つ間も、危険な設備へ近づかない範囲で食品管理を整えることはできます。
侵入口の調査では、建物外周や配管の導入部などを安全に見られる範囲で確認し、疑わしい位置を記録します。電線が通る穴だからと金属たわしやアルミホイルを押し込んだり、分電盤の隙間へパテを詰めたりしないでください。配線、放熱、換気などへの影響を含め、設備に関わる封鎖方法は担当者へ相談します。
分電盤やコンセント、家電の内部へ忌避スプレーを吹き付ける方法も避けます。NITEは配線器具に水や洗剤、殺虫剤などがかかった場合の危険を案内しています。ネズミ対策用品でも、使ってよい場所や使用上の注意を確認し、電気設備へ直接使えると自己判断しないことが必要です。
捕獲や駆除を行う場合も、設置後の点検と回収まで考えて方法を選びます。天井裏など自分で安全に確認できない場所なら、調査や回収を含めて業者に相談しましょう。使った製品名、設置位置、開始日を電気工事の担当者と駆除の担当者の両方へ伝えると、作業の行き違いを減らせます。
見積もりと作業後の確認は、修理と防鼠で別々に行う
見積もりでは、電気の点検・配線修理と、ネズミの調査・捕獲・侵入口の補修を分けて確認します。「ネズミ対策一式」という名称だけでは、配線の修理が入るのか分かりません。誰が担当し、どこを直し、どの作業が別料金になるかを、書面で説明してもらいましょう。
費用は損傷の範囲、作業場所、部材、建物の状態などで変わります。記事の一律の金額を自宅の見積もりに当てはめず、出張や調査、部品交換、点検口の新設、内装復旧など、提案された項目の必要性を聞いてください。追加作業が見つかった場合に、実施前に説明と承認があるかも確認します。
ネズミ駆除の相談を準備する場合は、駆除業者への相談前に整理する被害・見積もり・保証の確認点も参考になります。特定のサービスを使えば電気工事まで必ず依頼できるという意味ではなく、対応できる作業の範囲を個別に確かめるための情報です。緊急の電気対応と、後から比較できる防鼠工事の契約は分けて考えましょう。
作業後は、修理した箇所、実施した点検、確認できなかった範囲、再び異常が出た場合の連絡先を聞きます。防鼠工事については封鎖箇所と今後の点検方法、保証の対象を確認してください。電気がつくことと侵入が止まったことを一つの結果にまとめず、両方の記録を残すことが再発時に役立ちます。
完了の説明が曖昧な場合は、「今回直した配線はどの区間ですか」「使い始める前に必要な確認は済んでいますか」「調べられなかった場所はありますか」と質問しましょう。ネズミ対策については「新しい痕跡が出たら何を記録し、どこへ連絡しますか」と確認します。担当者の説明と写真、見積書や作業報告をまとめ、後日別の箇所で異常が出た際にも参照できるようにします。
ネズミとブレーカーについてよくある質問
- Q. ブレーカーが落ちなければ、かじられたコードを使えますか?
- 使い続ける判断にはできません。損傷が見つかった機器は使用を中止し、メーカーや電気の専門家へ点検・修理を相談してください。
- Q. 何度か入れ直せば原因を確かめられますか?
- 繰り返して確かめないでください。再び落ちる、臭いや異音がある、傷が見える場合は操作を止め、記録した症状を伝えます。
- Q. 傷んだ部分へ絶縁テープを巻けばよいですか?
- 外側を覆うだけでは内部の損傷や安全性を確認できません。電源コードや屋内配線を自己流で補修せず、適切な交換・修理を依頼します。
- Q. ネズミを捕まえたら電気を戻してよいですか?
- 捕獲と電気設備の修理は別です。損傷が疑われる場合は、電気の担当者に点検結果と使用再開の条件を確認してください。
まとめ:原因を決めつけず、電気の安全確認を優先する
ネズミによる配線のかじり被害は、停電や火災の原因になり得ます。ただし、ブレーカーが落ちた理由には使い過ぎや機器の故障などもあり、物音や傷の外観だけでは原因を確定できません。落ちた範囲と見える表示、直前の使用状況を整理し、危険な場所へ触れずに相談へつなげましょう。
煙や炎があるなど火災が疑われるときは避難と119番通報を優先します。焦げ臭さ、傷んだ配線、再遮断がある場合も、何度も入れ直したり自己修理したりせず、電気工事店や機器メーカーへ相談してください。賃貸・集合住宅では管理会社にも状況を共有します。
修理後は、食品管理と侵入口の調査も進めます。電気の点検・修理とネズミの防除を分け、担当者、作業範囲、費用、再発時の連絡先を確認することが大切です。一時的な復旧だけで終わらせず、配線の安全と再侵入への対策をそれぞれ整えていきましょう。
